＜供 覧＞
法務省刑事局長 松下 裕子 殿
千葉地方検察庁 検事正 長谷川 保 殿
全日本実子誘拐被害者連合会
実子誘拐事件における法務大臣答弁等に逆らう千葉地検 小堀光 検事の子どもの利益を奪う非人道的な判断についての抗議
拝啓 春和の候 ますますのご清栄のこととお慶び申し上げます。貴殿におかれましては、国民の安心安全を確保するために日々厳正公平・不偏不党を旨としてご尽力いただき感謝申し上げます。
さて、当会は実子誘拐被害を受けた全国各地の被害者の会であり、社会問題となっている実子誘拐による子供への被害を防ぐために、国内外を問わず様々な要請をしております。この実子誘拐による被害は誘拐された親だけではなく、突然片親を失う子ども達の心理的精神的被害が甚大であり、子ども達の自傷や自殺の背景には、親と突然引き離される被害に起因することが多くあります。実子誘拐というものは、親権を奪うため、誘拐という暴力によって、子ども達を自己の現実的支配下におき、かつ偽装DVなどの行為によって親子断絶を図るものです。
我が国が批准している「児童の権利に関する条約」の第９条において、児童がその父母の意思に反して父母から分離されないことを確保する「親子不分離の原則」が明示されています。この条約は他の国内法の上位概念に位置づけられ、さらに自動執行条約であることから、内容はそのまま国内法として当然ながら法治国家においては遵守されるものです。また、国会においては令和３年に当時の上川法務大臣から実子誘拐は刑法２２４条の未成年者略取誘拐罪にあたるとの答弁もあり、さらに、令和４年に当時の松野博一官房長官から長期間の子どもと引き離されることは暴力（ＤＶ）行為に該当するとも答弁されています。
これらの犯罪に対して、法務大臣及び法務省刑事局長は令和３年４月の参院法務委員会において刑法２２４条の未成年者略取誘拐罪に該当すると国民に説明され、また警察庁においては刑事告訴を受理するように通達もなされております。よって、全国各地の実子誘拐被害者は警察に刑事告訴を行い、担当される警察官は誠実に被害者に寄り添い送致まで丁寧に対応して頂いております。
しかしながら、千葉地検の検事である小堀光は、上記の条約や法務大臣答弁等から示す法に逆らい、実子誘拐事件について不起訴処分を行いました。これは子ども達が一方的に親とその親類から愛情と養育を受ける機会を奪う非人道的犯罪を追認するものであり、この判断によって、実子誘拐による親子断絶が解決せずに犯罪行為が継続していることから、ますます子どもの権利が奪われる結果となっています。
検事の判断は、親子の人権そのものに対する侮辱的差別的なものであり、けっして公正公平なものではなく、既に起訴猶予も出ている犯罪性のある実子誘拐行為による子ども達への犯罪を助長しかねない、反社会的な対応であることから、当会は親子の人権と子ども達を守るためにここに強く抗議いたします。
貴殿におかれましては、厳正公平・不偏不党を旨として速やかに事実関係について是正していただき、今後このような判断が無きように、全国の検察庁に向けて実子誘拐の犯罪被害者へ誠実に対応し、そして速やかに起訴するように通達して頂きたく、ここに要請します。
以上
